クロコダイル財布ガイド【日本ブランド】専業ブランド

財布の最高峰で、耐久性を兼ね備えたクロコダイル財布は、一生もので終着点とも言えます。

ここでは信頼でき、コスパも良い日本のクロコ専業のブランドを中心に集めました。

高い買い物なので、間違いのない物を選べるようにクロコに必要な最低限の前知識も解説しています。

PROFILE説明

クロコ財布🇯🇵ブランド

池田工芸
クロコ専門
三京商会アイコン
三京商会
クロコ
GANZOクロコ財布アイコン画像
ガンゾ
実力派
キプリス
コスパ
フジタカ
カラフル

形状別まとめ

価格別

3万ボタン
3万円以下
5万ボタン
5万円以下
〜10万円ボタン
10万円以下
〜15万円ボタン
15万円以下
〜20万円ボタン
20万円以下
20万円台〜ボタン
20万円以上

基礎知識

クロコダイルレザーの基礎知識

覚える必要はないですが、知っているだけで失敗しないので一読してみてください。

クロコダイルの耐久性

クロコダイルは革の中でも最も強い革の一つです。

一般的に皮革は哺乳類系よりも爬虫類が強いです。身を守るために繊維が密になりまさに鎧。その爬虫類の中でもクロコダイルは別格で牛革の10倍ほど強いといわれています。高価なだけではなく最強の革と言えます。

財布レザー強度スケール2
右から強いとされている革順に並べました。

ワシントン条約で保護される希少な革

クロコダイルはワシントン条約でも保護されるくらい希少です。証明書付きで取引されているので正規のルートで仕入れられたクロコには明記がされていることも多いので目安にしてみてください。

日本のメーカーで日本製の場合、全日本爬虫類皮革産業協同組合(JRA)発行の下記の証明書が付く場合があります。

池田工芸_全日本爬虫類皮革協会JRA

クロコダイル財布の値段の違い

  1. 【クロコの種類】本物のクロコダイルは4種類
  2. 【部位】使う場所で値段が変わる
  3. 【裁断】革の使い方で値段が変わる
  4. 【仕上げ】仕上げで値段が変わる
  5. 【生産国】で値段が変わる

ここからは、クロコの財布を買う時に判断するポイントを紹介します。

どのブランドも良いことだけ書きますが、基礎知識を知れば違いがわかります。

下記、販売サイトで良く出てくる項目をまとめました。それぞれ、解説します。

【種類】【部位】【裁断】【仕上げ】【生産国】/【ブランド】の違いで価格が変わります。

関連記事>> クロコダイルとアリゲーターの違い【選び方と価格差の秘密】

1【クロコの種類】本物のクロコダイルは4種類

正式にクロコダイルと呼べるのは世界でも4種のみ

クロコダイル図解
左4つが正式なクロコダイル。

上記6種類はワニ革ではありますが、全てクロコダイルというわけではないです。

クロコダイルと呼べるのは左側の4種類のみ。日本では”クロコ”で名が通っているので価値があります。

ポロサスクロコ➡世界最高峰。
ナイルクロコ➡もちろんホンモノのクロコでポロサスよりは少し安い。

下記はメーカーで撮らせてもらった写真。種別以外にも個体差や仕上げの差もあり見分けるのは難しいです。

スモールクロコ2
ポロサスクロコ(マット)
ナイルクロコ 2
ナイルクロコ(マット)
ラージクロコ
ラージクロコ(マット)
シャムクロコ
シャムクロコ(マット)
アリゲーター 2
アリゲーター
*クロコではない。
カイマン
カイマン
引用:日本皮革産業連合会

4種の中で主に財布で良く見るのはポロサスクロコナイルクロコが上等で、中でもポロサスクロコは班が最も小さく最上級です。

スケール(模様)が小さいほど上品で高価になります。

一番希少な品種がスケールスモールクロコ=イリエワニ=ポロサスのいずれかで記載されているはずです。

某H社が押さえているためその他のメゾンが使えないそうです。ラグジュアリーブランドだと規模が大きくアリゲーターがほとんどです。

詳しくは全日本爬虫類皮革産業協同組合様のHPで写真付きで解説されています。

型押し

クロコでは型押しも多いので注意が必要です。基本は牛革で、上から型を押し、ごまかしが効くので元の革も良いものはあまり使いません。

ラグジュアリーブランドで50万円するようなカバンでも型押し(エンボス)は存在します。

違いを詳しく解説➡クロコダイルとアリゲーターの違い【選び方と価格差の秘密】

2【部位】使う場所で値段が変わる

三京商会_クロコセンター取り一枚革
引用:三京商会HP

クロコは模様があるために、どの部分を使っているのかが見た目でわかります。

最も贅沢なのが「センター取り」で柄が左右対称の美しい取り方です。

真ん中以外では、少し端になるのでワイルドな見た目になり、個性的なのでこちらが好きな人もいると思います。

エルメスは小さいアイテムでも全てこの取り方です。
*通常小さいアイテムは端革でとることが多いです。

3【裁断】革の使い方で値段が変わる

三京商会_11マットクロコ_L字ZIPコンパクト11000_1
切り替えあり_引用:三共商会
クロコダイルセンター一枚取り_三京商会96800
切り替えなしの一枚革_引用:三京商会

革を効率良く使うために、革を切り替えてコストダウンもします。価格は安くなるので不自然じゃない場合は納得して買うのはありだと思います。

背の部分の切り替えを、写真の撮り方で見えにくくしている場合もありますので注視してみる必要があります。

4【仕上げ】仕上げで値段が変わる

クロコらしい華やかなシャイン仕上げか、渋いマットか?

シャインクロコ
シャイン仕上げ
マットクロコ
マット仕上げ
ヒマラヤクロコ
特殊カラー

クロコの種類よりも仕上げの違いのほうが印象が大きく変わります。

【シャイン仕上げ】クロコといえばエナメルのようなシャイン仕上げが最も手間がかかり高価です。

グレージングという工程でメノウやガラスで強くこすり光沢をだします。⇣⇣⇣⇣⇣ 他の革でもグレージング加工はありますが、クロコの繊維の緻密さも相まってツルッツルの光沢が出ます。

グレージング加工_メノウの写真
グレージングで使うメノウローラー 引用:池田工芸

【マット仕上げ】使うほどに光沢が増し味が出てくるのがマット仕上げ。玄人好みでメンズらしい見え方。

【特殊カラー】藍染や、グレー染めなど少し変わったクロコがほしい人はこちら。
ヒマラヤは天然のクロコの色をそのまま活かした美しいグラデーションです。

各仕上げの特長をまとめたのが下図になります。

シャイン仕上げマット仕上げ特殊カラー
・エナメルのような光沢・使うほどに味になる・人と違うモノがほしい人向け
・グレージング加工・通常の革の仕上げに近い・藍染め
・グレー染め
・ヒマラヤ(染めないクロコ本来の色)

5【生産国】で値段が変わる

生産国が変わると値段が変わります。技術的な面もそうですが、人件費の影響が最も大きいです。

【フランス/イタリア】ラグジュアリーブランドもまだ本国生産を残していて工房的な作り場。

【日本】生産管理がゆき届いた、欠点のない物作り。

【中国】以前に比べ人権費は高くなっていますが、その分技術力も上がっています。
特に日本企業との取引が多い工場は日本基準で遜色がない物もあります。

【その他アジア地域】中国の代わりで安いコストを求めて増えています。

ブランドでの値段の違い

信頼のおける日本のクロコ専業メーカー。

財布ブランドセグメント

クロコのサイフの値段の幅は広く、ブランドや作る国で大きく変わります。

オススメは日本ブランドの専業メーカーが、品質面とコスト面でバランスが良いです。

ラグジュアリーブランド

最高峰はラグジュアリーブランドの財布

値段を考えなければ、イメージやブランド力、品質含めて最高峰だと思います。
中でも、ワニ革を扱うブランドは、ラグジュアリーブランドでも限られていて、クロコではないアリゲーターがほとんどです。それでも50万〜100万越えで、店頭で常時販売しているわけではありません。

ブランドのトップラインなので、生産も自国(欧米)で作っているところも多く、縫製のキレイさや、附属や色使いなどセンスが良く商品をよく見せることが上手いです。

値段を考えなければ品質は最上級です。

ラグジュアリーブランドでポロサスを扱えているのは、エルメス社とモラビトくらいで、それ以外はブランド規模のポロサスの確保が難しいようです。

★日本のブランド

ブランド物のような派手さは無いですが、間違いの無い品質のクロコのサイフが手に入ります。

最上級のポロサスクロコやナイルクロコを主に使っており、日本の職人による縫製は丁寧で正確です。

ブランド物のようには宣伝販促費がかかっておらず、専業なので価格以上の品質が期待できます。

財布は革質と作業の積み重ねで品質が決まります。そんな細かい作業は日本の職人の得意分野。

ブランド物もいいですが為替や輸入経費をかんがえると、日本製が有利です。

クロコを扱う日本ブランドは主に2つに分けられます。

  1. サイフの専業ブランド(ガンゾ、キプリス、フジタカ、ヒロアン、クレバレスコ)
  2. クロコを専業ブランド(池田工芸、三京商会、東京クロコダイル)

★★クロコ専業ブランド

池田工芸_ロゴ
三京商会ロゴ
東京クロコダイルロゴ

サイフ専業ブランドの中でも、クロコを含むエキゾチックレザーを専業にしているブランドがあります。

エキゾチックレザーの仕入れに特化していて、製品化まで一貫しているのでコスパが最も良いです。

★サイフ専業ブランド

GANZOロゴ横
キプリスロゴ+マーク
FUJITAKAロゴ横
ヒロアンロゴ
クレバレスコロゴ

品質で定評のある日本の財布ブランドでもクロコは扱われています。ブランドのトップラインに位置していて、技術の粋を集めています。クロコ専業に比べると価格設定は高いですが、ブランド力や製品としての雰囲気があります。

低価格品

ノーブランド品

クロコ製品でも安いものはありますが、安いなりの理由は必ずあります。

下記の表で示したように、どの項目でもコストダウンされています。裏地や仕立てなどもチェックが必要です。

クロコ財布スペック
クロコ製品のスペック一覧

縫製技術の違い

財布は日本メーカーの得意とする分野。

カチッとした財布には、日本メーカーの丁寧にキッチリ作る技術と相性が抜群です。

中でも日本の老舗メーカーは、日本の厳しい市場に耐え信頼性は高いです。

日本のメーカーは改善し続けます。年数が経つにつれあらゆるクレームを克服し、より欠点が無くなります。

品質改善に関しては海外でも「KAIZEN」として知られるくらい有名ですよね。

筆者の感想

ちなみに日本マーケットは欠点に対し世界一細かいです。
20年業界にいて海外の工場を見たり、世界を相手にしている海外メーカーと話すと「日本メーカーは一番うるさい」と良く聞くので、傾向としては間違ってはいないと思います。

日本ブランド🇯🇵ラグジュアリーブランド低価格品
日本製欧米製東南アジア
品質優先
正確
華やかさ&品質コスト重視
品質は求めない
*国を一言で表すのは無理がありますがまあまあ当てはまると思います。

内装革/裏地もチェック

無双仕立てが最上。内装にもクロコを使った贅沢仕様です。

三京商会_マットナイルクロコ_長財布96800_2
【無双仕立て】内装にもクロコを使います。
引用:三京商会
池田工芸_クロコダイル二つ折り財布1
牛革や蛇革 引用:池田工芸

最上は内装にもクロコを使った「無双仕立て」が贅沢です。

10年使うなら表革以外の耐久性も重要です。

内装や裏地はコストダウンのしわ寄せが現れやすい箇所。

表革がいくら頑丈でもそれ以外の素材がだめになったら終了です。

【低価格品】
クロコの財布で革以外を使われることはほとんどありませんが、低価格品はチェックしたほうが良いです。

まとめ

財布は必需品ですが人生において選択する機会は少ないです。

クロコの財布なら長持ちしますので、一生物になる方も多いと思います。

長く使う財布で失敗しないためには、基礎知識がないと判断が難しいです。

いろんなブランドが手を変え品を変え説明していますが、クロコの品質評価は昔からほとんど変わらないので一度基本知識を身につければずっと役に立つと思います。

商品数も多すぎるので、ブランドから入る方も多いと思いますが、質を判断できるようになると財布選びもがぜん楽しくなります。

このサイトではブランドよりもそんな財布の本来の品質を分かりやすく解説していますのでクロコの財布選びにお役に立てたら嬉しいです。

MARU